東日本大震災のような広域な地震が発生した場合、市町村の自治体の組織や災害対策本部の機能も麻痺してしまうという事態が発生します。
そのような場合、近隣の自治体からの応援を待たなければなりませんが、道路や通信網も切断され陸の孤島になってしまうと、近隣の自治体からの応援も簡単には受けられません。
過去の大震災の経験から復旧期間は最低でも電気は1週間、水道・電話は2週間、ガスは2か月と想定しましょう。
何とか救援の手が回ってくるまでということで、最低3日分できれば7日分の備蓄を考えましょう。
自力で生活するために必要な品物です。数量は非常時持ち出し品の数量と合算して考えます。
表内の数量は1家族4人×7日分の数量を目安としています。
各家庭の実情に合わせて必要な数量を備蓄しておきましょう。
水 | |
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飲 料 水 84L | 1人1日当り3Lといわれています。2L入りペットボトルで42本。最低でも0.5Lとしたら14Lで2L入りペットボトル7本。 |
その他の水 適宜 | お風呂に常に水を溜めておく。ポリタンクに水道水を備蓄など。 |
水用ポリタンク 適宜 | 水道水の備蓄用に。給水車からの給水の運搬には折り畳みポリタンク、給水袋、バケツなどを。 |
浄 水 器 1個 | お風呂の水などのろ過浄水用に。 |
食 料 | |
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長期保存食品 7日分 | カンパン・ビスケット類、ご飯、パン、惣菜、キャラメル、ようかん等。他の以下の食品と合わせて84食分。 |
高効率エネルギー食品 適宜 | ナッツ類、チョコレート、クリームビスケット等。 一般的に消費期限が長くはないが効率よくカロリーが摂取できる。 |
缶 詰 適宜 | 長期保存には最適。缶切りを忘れないように。 |
インスタント食品 適宜 | 水と過熱器があれば簡単に調理できる。消費期間の短いものはこまめに交換が必要。 |
白 米 5kg | 4人家族で毎食お茶碗1杯(お米65g)を7日分とすると約5.5kgになるが、他の食品と併用するとして5kg。 |
生活用品 | |
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東日本大震災時もすぐに品切れになった品物がたくさんありました。 普段から少し余裕を持って備蓄したいものです。 | |
簡易トイレ 100~150回分 | 断水時に凝固剤を使うトイレ。マンション住民は必須。 飲料水の備蓄日数と揃えるのが望ましい。 |
ビニール袋(大中) 各20枚程度 | 東日本大震災でも一番役に立ったという品物。 給水運搬、簡易トイレ、身体の保温、その他ゴミ袋、洗濯物入れ、食料保管等に利用。黒色もあると便利。 |
アルミホイル・クッキングシート 1箱 | フライパンに敷いて調理すれば洗わずに済み水の節約に。 |
食品用ラップ 1箱 | お皿などの食器に敷いて使えば洗い物削減に。 |
キッチンペーパー 1本 | 避難所で使い捨て雑巾代わりに。 |
ティッシュ 2箱 | ティッシュ、トイレットペーパーは災害時はすぐ品薄に。置き場所があれば多めの買い置きを。 |
トイレットペーパー 4~5個 1ヵ月分では16~17個 | トイレットペーパーの使用量は1人平均年50個というデータがあります。 家族4人7日分では4~5個。 経産省では1ヵ月分の備蓄を推奨していますので1カ月分では16~17個になります。 最近は何か災害が発生すると真っ先にトイレットペーパーが品不足になる傾向があります。 置き場所があったらできるだけストックしておくとよいでしょう。 |
ウェットティッシュ・ウェットタオル 140枚 | 1人1日5枚。手洗い、身体拭きに重宝。身体拭きにはノンアルコールを。 |
ドライシャンプー 1本 | 頭髪の不快感解消に。 |
口内洗浄液 1本(約1L) | 断水時のお口の洗浄に。 |
マ ス ク 28枚 | 1人1日1枚。感染予防、大気汚染(噴火降灰対策)、寒さ防止。洗えるマスクは水不足で洗えなくなることもありますので少し余裕を見て多めに。 |
工具他 | |
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台車・キャリーカート | 重い荷物、給水の運搬に。 |
カセットこんろ・カセットボンベ ボンベ5本 | またはアウトドア用加熱器具。 |
ブルーシート・ビニールシート 1~2枚 | 家屋損壊部分一時補修用に。戸建て住宅では多めに。 |
懐中電灯 1個 | 手回し充電ラジオに付属のものでもOK。LED式の品物が良いが、従来型であれば乾電池も。 ヘッドライトは両手が使えて便利。 |
手回し充電ラジオ 1台 | 非常時持ち出し袋に入れておくものとは別に、もう1台高性能のものが有ればなお便利。 |
携帯電話・スマートホンバッテリー できれば人数分 | 手廻し充電ラジオに付属のものでもOKですが、大量の充電には専用のものが良いでしょう。 |
乾 電 池 適宜 | 必要なサイズ(単1など)毎に1セット分。 |
衣類用抗菌消臭スプレー 1本 | 洗濯ができない時にそなえて。 |
軍 手 適宜 | ガラスや食器破損などの被害に備え片付け用に。 |
ラテックス(ビニール)手袋 | 1箱(100枚入り)が便利。救急介護に、汚れた手での調理に、汚物処理に。使い方はいろいろ。 |
布粘着テープ 1巻または分割して少々 | アルミシートの貼り合わせ、ガラスの破片収集などに。 応急手当や持ち物の記名にも便利。 布粘着テープ備蓄方法 |
ローソク、ライター、マッチ | マッチはライターのガス切れに備えて。 |
LEDランタン 適宜 | 窓ガラスが割れた時や、風がある屋外では必須。各部屋に1個ずつあると安心。電池は多めに。 |
掃除用具(ほうき、ちりとり) | 割れたガラスなどの片付けに。 リビングや寝室には靴やスリッパなどを置いておくとよい。 |
その他 | |
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生理用品 | 人数x7日分 |
紙おむつ | 人数x7日分 |
粉ミルク | 7日分 |
ペットフード | 7日分 |
使い捨て下着類 2~3枚/人 | 洗濯ができない時に便利。 |
防災ずきんまたはヘルメット 適宜 | 避難時に小さなお子様の頭の保護に。 |
工具類 | |
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ファイヤースターター 火打ち石 | マッチもライターも使えないときの着火用具に。 |
手回し充電テレビ 1個 | 停電時の情報収集に。スマホの充電可能タイプも。 |
乾電池アダプター 2~4個 | 単3乾電池が単1乾電池のサイズで使えるので備蓄する乾電池の種類が少なくて済む。 |
バール 1個 | 地震で開かなくなったドアを開ける。 |
灯油ポンプ 1個 | 少なくなった風呂水やトイレのタンク内の水の吸い上げに。 |
シャベル(スコップ) 1個 | 生ごみや汚物処理用の穴掘りに。 |
その他 | |
安眠マスク 人数分 | 避難所での睡眠時に。 |
耳 栓 人数分 | 避難所での睡眠時雑音防止対策に。 |
風 呂 敷 2~3枚 | 包んだり敷いたり汎用性が高い。 |
チャック付きポリ袋 1箱 | 保存袋、防水袋、水を使わない調理用などに。 |
携帯用トイレ 2~3個 | 車での避難時、長時間移動渋滞対策に。 |
蚊取り線香 1箱 | 夏場の特に屋外での避難生活に。 |
重 曹 1袋 | 消臭スプレー、掃除用など多用途に使える。 |
自動車を運転中に災害に遭遇する可能性もあります。
車載用 災害対策用品 のページを参考にしてください。
1)災害時の調理のポイント
洗い物を減らして水を使わない。
フライパンにアルミホイルまたはクッキングシートを敷いて調理する。皿にはラップをかぶせて使う。調理ハサミやピーラーで調理し、まな板は使わない。ビニール袋に材料を入れて混ぜる、など。
手が洗えない場合には使い捨て手袋使用またはウェットティッシュなど。
2)食料備蓄にローリングストック法
災害対策用の長期保存用食品ではなく、普段から食べなれている缶詰やレトルト食品などを多めに買い置きし、製造日の古いものから使い、使った分は新しく買い足して食べながら常に一定量の備えがあるようにする方法。
缶入りカンパンなどは内容量の割には置き場所を取るが、コンパクトなビスケットは保管場所が小さくて済むなどのメリットも。
ただし、こまめな賞味期限・消費期限管理が必要になる。
3)粗悪品に注意
災害対策用品は直接命に繋がる場合も多いです。粗悪品には注意しましょう。
救急応急手当セット(ファーストエイドキット)のセット品には内容物が使い物にならなかったとか、手回し充電ラジオはハンドルがすぐ壊れた、ラジオが聞こえないなどのレビューが多く見受けられます。
スーパーやホームセンターの災害対策用品コーナーで売られている商品も多いですが安いからと言ってすぐ購入せず、NETでレビュー点数をよく調べてから購入しましょう。
平均点が良くても点数1の評価が散見される場合は品質にばらつきがある商品と考えられます。
一般的にメーカー不明、型番不明の外国製品は要注意的な傾向があります。
またノベルティ商品(おまけ、景品用)として販売されている安価な商品にも形式ばかりの商品が見られるので要注意です。
価格が高くても推奨できるものとして、小型ラジオ(備蓄ラジオ)、懐中電灯(防滴)、大きな音が出るホイッスル(笛)、不透明なレインポンチョなどがあります。
4)試しに使ってみる
繰り返し使用できるもの(手回し充電ラジオ、LED懐中電灯、LEDランタン、折りたたみヘルメット、ポリタンクなど)は購入したら一度使ってみましょう。
使い方のリハーサルになりますし、粗悪品を見つけることができる場合もあります。
取り扱い説明書も一度目を通しておくことが大事です。
災害対策用必需品を家庭内にしっかり備蓄しておきましょう。
大型地震や超大型台風による大水害の発生が増えていす。
自宅が損壊して住めなくなり、備蓄品が使えなくなる可能性もありますが、電気・ガス・水道などのライフラインが停止しても自宅が使える状態であれば、備蓄品は生命を繋ぐためのとても有効な手段になります。
非常時持ち出し品も含めて全体的に計画し、災害対策用必需品を備蓄しておきましょう。